新年度が始まり、新しい環境でがんばっている方が多いことと思います。
小児科でこの時期にご相談が増える「チック」についてお話しします。
本人の意思とは関係なく、まばたきや咳払いといった症状が繰り返されることを、チックといいます。
この症状は、4歳ごろから小学生にかけてみられることが多く、一時的な症状を含めると5人に1人の子どもが経験するありふれた症状です。
チックは、親の育て方や本人の性格が原因で起こるものではありません。
脳機能の発達の障害であると言われており、今は神経発達症のひとつとして捉えられています。
また家族性もあることから遺伝的な関与もあると言われています。
一時的なチックは1〜2ヶ月で自然に消失することが多いため、現時点で生活や学習に困っていることがなければ過度な心配はいりません。
チックの対処法としては、まずは本人に安心して生活してもらうことが大切です。
本人がチックを意識しすぎると症状が増えることがあるため、やめるよう注意しないようにしましょう。
受診の目安としては、
・3ヶ月以上つづく
・複数のチックが認められる(顔をゆがめる+喉を鳴らすなど)
・手や足のチックが出て、食事や学習の妨げになっている
・友達に注目されるなどして精神面での影響が心配
などを参考にご相談ください。
チックについては、「発達とこころの外来」において、心理的サポートや環境調整のお手伝い、薬物療法(漢方薬など)を行っています。