いま、おうちで呼吸や栄養の補助などの医療的ケアが必要なお子さんが増えています📝
ご病状が安定して病院を退院した後も、多くの方は遠くの専門病院へ定期的に通院する必要があります。
小さなお子さんと一緒に通院を続けるのは本当に大変なことです。専門病院側も患者さんの増加に対して様々な取り組みをされています。
そのうちの一つが在宅医療への移行です🏡
専門病院には定期的に通いつつ、普段のサポートは医師がおうちに訪問して診療するというものです。
かるがもCPキッズと細々と関わりを持ち続けていた私の中には、ずっと在宅医療のことが頭の中にあって、いつか機会があれば携わりたいなと思っていました。
可能かどうかは別として、です。
可能かどうか、というのは、まずソフト面。
私は、小児神経や新生児科など医療的ケアが必要な患者さんの診療経験が豊富にあるわけではなく、果たして在宅医療に関わって良い立場なのだろうかと疑問がありました。
ハード面においても、保険医療システムや福祉、地域連携などの知識がほぼない状態で始められるのかどうか。ここも不安でした。
しばらく二の足を踏んでいた私は、数年前に小児の在宅医療を積極的に受け入れている在宅クリニックを見学させていただく機会を得ました。
もともと家庭医になることも考えていた医学生の頃の私が思い描いていた医療が、そこにはありました。
ご本人が真ん中にいて、家族がいて、そこに医療がお邪魔する。
ゆっくりな時間の中で診療をして、いつも通りに患者さんがお元気で過ごされているかを確認する。
普段診療している忙しい小児科外来とは、全く違う空間でした。
院長先生は、これから益々必要となる小児在宅医療を地域で支えるための構想をお持ちで、時間をかけてお話しくださいました。
在宅専門でなくても、ノウハウがあればできること。
ノウハウを教えたり、困りごとの相談はいつでもいいよと言ってくださったこと。
みんなでカンファレンスを開くのも大切だよねとおっしゃっていただいたこと。
それらのお話を聞いていると、自分の中にあった不安の多くが解決しそうな気がしてきました。
それから一年が経ち、昨年春に「おうち支援部」を立ち上げました。
医療的ケアが必要な方もそうでない方も、医療と福祉、教育のつながりを求めてソーシャルワーカーに相談に来てくださっています。
年末から訪問診療も始めました。
大きな病院の複数科にかかっている基礎疾患のあるお子さんです。
少しでも受診回数を減らすためにと、私たちの訪問診療を希望されました。
訪問診療初日、お母さんから「本当にかるがもさんは来てくれて大丈夫なんですか?」と。
予想していなかった問いに、すぐに返事ができませんでした。
おうちで毎日医療が行われているのだから、我々がおうちにお邪魔するのが自然なことです。
だから(ご本人とご家族さえ良ければ!)、もちろん私たちは大丈夫です。
地域の小児科に何ができるのか、これから時間をかけて見つけていきたいと思います。
院長 江田