おうち性教育

1.おうち性教育のススメ

皆さんはご家庭でお子さんと「性」について話をしていますか?

「性」といっても様々なテーマがあります。
男女の違いや、思春期に起こる身体の変化、性交渉、妊娠、出産。

「学校で教えてもらえばいいのでは?」
と言いたいところですが。。。

実は小中学校では、思春期の身体の変化やいのちの大切さを扱う授業は行われますが、内容はオブラートに包まれていて、核心をつく話題(具体的な性交や避妊の方法など)には触れません。
今の学校指導要領にないのです。

子ども達は小学校中学年ごろになると、お友だちやSNSなどから興味のままに性に関する情報に触れる機会が増えていきます。

それが正しいことかどうかも分からずに。

特にSNSからの情報は、性的興味をそそることだけを目的にしたフィクションであることが多いです。

そのような不適切な情報を子どもたちが鵜呑みにしてしまうと、正しいことを知る機会がないまま成長してしまうだけでなく、自分自身の誕生やアイデンティティも前向きに捉えられなくなる危うさがあります。

欧米では幼児期から性教育が始まります。

日本でもより早くから適切な性教育を受けられるようになれば、10代の望まない妊娠や性犯罪(加害側も被害側も)、性感染症も防げるかも知れません。

そう、性教育は大切な「防犯教育」なのです。

ではどうしたら良いのでしょう。

学校では、性のリアルを突っ込んで教わらない。
でもかわいい我が子に様々なリスクを負わせることはできない!

ならばおうちで話題にしてみましょう!!

かるがも藤沢クリニック(小児科)では、子どもの発達段階に合わせて親子で性について話す「おうち性教育」をお勧めしています。

性教育のスタートは3歳ごろ。さりげない日常の中で少しずつ話をしていきます。
性器の洗い方や、水着で隠れるところはとても大切だから人に見せてはいけないし、許可なく人のものを見てはいけないといったプライベートゾーンの認識から始めましょう。

幼稚園から小学校低学年の子どもたちは、とっても純粋です。
幼児向けの絵本を一緒に読むと、あれ?と思ったことは大人に質問してくれますし、私たちが答えたことを「へー!そうなんだ!」と自然に受け止めてくれます。
質問された時がチャンス!その後は段階を経て少しずつ話題にします。

そろそろ周りとの違いを意識するようになる小学校3〜4年生ごろの子どもたちには、男女の身体の違いや性交〜生命の誕生について、事実を伝えます。
この時期にもう一度、絵本を一緒に読むのも良いでしょう。
まだ恥ずかしさを感じていない子どもも多いので、親の方がドキッとするような鋭い質問が飛んできます。
ご家族(特にお父さんお母さん)間で、どのパートは誰が答えるなど予め相談しておくと良いでしょう。

性差や羞恥心を感じ始める高学年の子どもたちは、親と向かい合って話すのがぎこちないかもしれません。
もちろんしっかりお話をされるに越したことはありませんが、マンガ本をそっと渡すなど、さりげない関わりも良いですね。

思春期の子どもたちは、自分て何なのだろう、家族とどう距離を置いたら良いのだろうと、日々葛藤しています。
加えて、私たち親世代が育った時代と比べると、この時期の子どもたちが見聞きする社会の情報量や生き方の多様性が圧倒的に増えています。そんな時代だからこそ、本質的には何が大切なことなのか、家族の言葉で子どもたちに分かりやすく伝えていく必要があるように感じます。

おうちで性の話をすることは、お子さんの「生〜いのち〜」がいかに大切なのか実感できる貴重な機会です。

性教育を通して、いのちのこと、自分を大切にすること、他者を思いやることを、みんなで子どもたちに伝えていきたいです。

2.保護者会のご案内

「みんなどうしてる?となりの家の性教育」

家庭でどう踏み込んだら良いか分からないと思っている方のために、かるがも藤沢クリニックでは子育て中の小児科医や看護師も加わって、皆さんとおうち性教育について考える保護者会を開いています(不定期)。
このテーマには正解はありませんが、保護者会をきっかけにしてご家庭での性教育を考えるきっかけづくりをお手伝いしています。

保護者会は不定期開催です。 開催が決まりましたらホームページ「クリニックからのお知らせ」に掲載します。

 〜こんな風に思っている保護者のご参加をお待ちしています〜 

・性教育は何歳からどんな風に始めたらいいの?
・性について話すなんて、ちょっと尻込みしちゃうな
・いつかは話さなきゃとは思っているけれど、どう話したら良いか分からないわ
・子どもにドキッとする質問をされて困ってしまった

 これまで参加してくださった方の感想をご紹介します。 

小学3年生の
女の子のお母さんより

保護者会に参加したあと、おすすめの本を購入して娘と一緒に読んでみました。
本の最後に子どもへの話し方が書いてあったので、私の気持ちも楽になり楽しく読むことができました。娘は、生物の実態を学んでいるように興味を持って熱心に見ていました。
参加するまでは、どうしたら良いのだろうと考え込んでいたのですが、保護者会をきっかけに娘と性の話ができたことが本当に嬉しかったです。そして娘に対して、「自分のことを大切にできる子になってほしい」という思いが強くなりました。自分の子どもだけでなく、たくさんの人にこのような話を広められたら良いなと思いました。

小学3年生と1年生の
女の子のお母さんより

保護者会に参加させていただき有難うございました。笑あり涙ありの心温まる貴重な時間となりました。
あれからお勧めいただいた本の中から一冊購入し、子供と一緒に学ぶ姿勢で勉強しています。
私には性教育のイメージが少し重たかったので、フリートークで笑って話しても良い、いろいろな教え方があっていい、ということを聞いて、とても心が楽になりました。絵本を本棚に置いておいたら、子どもたちから「これ読んで!」と言ってきてくれたので、子どもたちが興味をもった女の子のお股の構造についてイラストを見ました。二人とも「本当にこうなっているの?」と驚いていましたが、恥ずかしがらずに受け止められる年齢でよかったのかなと思いました。
お友達にも今回のことを共有したいと思います。背中を押していただき有難うございました。