乳児棟の給食の見学のために、私たちは大きな園舎を出て、0歳クラスのアヒル組の部屋へ。
途中、渡り廊下からは、どろんこ遊びに最適な大きな砂山のある広い園庭がみえた。これは大都市では叶わない贅沢な空間だ~と見とれながら歩く。
あひるの部屋は、ログハウスのような雰囲気でちょうど良いサイズ感だった。
乳児さんの園庭もあり、(シャワーじゃなくて)お風呂も備え付け。
なんと贅沢な。
乳児にとって、感染対策上もこの環境は有り難い。
お部屋ではすでに給食の準備が始まっていて、
先生や園児さんたちに挨拶をして、お邪魔にならない場所に座った。
驚いたのは、食器がすべて陶器であること。
白湯を汲むピッチャーも陶器で、どこか懐かしい感じがする。
この「質感と重さ」もきっと大事にしているのだろう。
給食が始まった。
まずは「そしゃく」
土鍋で炊いた大根と玉ねぎ、にんじんがお皿の上に置かれる。
大きさはちょうど太めのマジックペンくらい。
私たちがいつも、ごはんステップ①で勧めているサイズ感だ。
土鍋だしかなり柔らかく煮てあるのかと思いきや、割と歯ごたえが残っている。
それを子どもたちは、黙々と食べる。
味付けはなしで昆布出汁のみだが、素材のうまみと甘さがしっかり出ている。
煮汁もスープとしていただく。

<園児さんに取り分けた後の土鍋>
*この場面、我慢できずに撮影をお願いして、許可していただきました
「そしゃく」の次は、「おひたし」
この日はもやしとほうれん草。薄味だが、これも出汁が効いていて美味しい。
みんなボロボロ落としながら手で食べるが、先生たちにとってはそれが当たり前な様子。途中で拾うこともしない。
野菜をしっかり食べたあと、いよいよ白米とタンパク質が出てくる。
この日は挽肉と厚揚げの煮物かな。
こちらは適度な味付けがされていて、白いご飯とよく合う。
園児さんの様子はというと、
黙々と食べ続ける子がいる一方で、今日は調子悪いという子も。
隣の子の食べ物を食べたり、隣の子に食べさせたり。
ただ不思議と、食べ物をこぼす子はたくさんいるけれど、食べ物で遊ぼうとしたり離席しようとしたりする子は見られない。
その前に先生が自然と声をかけたり、食事を切り上げようとしたりして対応しているのが分かる。
そして、子どもに食べさせようとしている先生はいない。
この雰囲気で食べていたら、やはり子どもたちはこう育つんだな、と実感した。

<たくさん食べて、たくさん落とす。それが0歳クラス>
食事を終えたら、お風呂にお湯を張ってみんなパンツ1枚で沐浴する。
ちなみに、この保育園では、乳児もオムツを使わずパンツで過ごすらしい。
沐浴中のプライベートゾーンへの配慮にもなり、非常に合理的だなと関心した。
見学にお邪魔したのが2月、みなさん離乳食を卒業している時期だったが、離乳食初期から後期のメニュー見本を見せていただいた。
「そしゃく」の意味が保護者にも伝わりやすく書かれているところが、とても大きなポイントだ。
乳児担当の先生たちに、この保育園の給食がどれほど“イレギュラー”なのかを話すと、「え~そうなんですね、入職時からこのやり方なので、これが当たり前と思っていました。オムツもなければないで、シンプルですよ」と。
あひるの部屋の給食が終わり、再び大きな園舎の棟へ。
1歳以上のクラスは、その日に合わせて給食を食べる場所をセッティングするらしい。
この日は、3歳児クラスが園庭にシートを敷いて、1歳児クラスは園舎からつながる広いウッドデッキで食べる準備をしていた。
1歳児クラスも「そしゃく」をいただく。
テーブルに直でにんじんが置かれ、それぞれ自分で取ってむしゃむしゃ食べ出す。
でも、野菜の一番美味しいところ、つまり真ん中の部分は0歳児にあげるらしい。
4~5歳児は、クラスごとの配膳台に置かれた大皿から、自分たちでお皿に盛るシステムだ。
ごはんは、木のおひつに入っている。
お茶は、あの重たいピッチャーをひとりで持って、こぼさずに湯呑に入れる。
あ~うちの中3次男なら、これ絶対にこぼすな~と想像する。
私と天満さんも、給食をいただいた。
年長さんのグループに入れてもらって、「いただきます!」
自然と食べ物の好き嫌いの話になり、園児のひとりが「保育園の給食おいしいよ、私ね、0歳からここなの」という。
それは、そうだろう。
この保育園の園児さんで、あなたはとてもラッキーだね。

さて、もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかも知れない。
実は私も天満さんも、にんじんが苦手。
がしかし、今日の土鍋にんじんと、給食の中の角切りにんじんは、とても美味しくいただくことができたのだ。
理由は色々あるだろうが、この日以降、私たちのにんじん苦手意識は確かに下がったのだ。
③へつづく
